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入門期の文字指導

2011年に本格的に小学校英語活動が導入され,早8年が経ちました。
ここ数年,入学したての中学1年生と授業をしていると,英語による教師の指示にすばやく反応するなど, 「聞く」「話す」力が確実に向上していると感じています。
これは,小学校での外国語活動による成果と言えるでしょう。

さらに,2020年からは,小学校英語が必修教科となり,教科としての評価をつけなければなりません。
各小学校では今,試行錯誤を重ねながら,必修化に向けた具体的な準備を始めています。
中学校の教員も,小学校と連携しながら,小学校の先生方の努力を側面からサポートしていかなければなりません。

小文字をいかに定着させるか

そのような英語教育の激動期にあっても,中学1年を担当する英語教師にとって,文字指導は永遠のテーマといってもいいのではないかと思います。
アルファベットの大文字はなんとか定着させることができるものの,どうやって小文字を全員に定着させていくのか。
これが相変わらず大きな課題となっています。

アルファベットの変遷を追体験させよう

dog → og
book → ook

これは,中学1年生がおかす典型的な誤りです。1年生に限らず2年生,3年生になっても,同じようなミスをおかしがちです。

こうした間違いをどうやって防ぐのか。
なぜ,右を向いていたDのお腹が,小文字 d になると左を向くのか。

こうした疑問に答えるために,約800年という長い時間を経て変遷したアルファベットの歴史を追体験させてみてはどうでしょうか。
そのためにつくったのが下の二つのワークシートです。

アルファベットの歴史-ドリル

英語の文字は,もともと,大文字しかありませんでした。
およそ800年という長い時間をかけて,大文字から小文字が生まれました。

さあ,みんなで力を合わせて,「アルファベットの大文字から小文字ができるまで」の移り変わりを考え,再現してみよう。
3人~4人のグループを作って。

と呼びかけ,「アルファベットの歴史-ドリル」を配ります。

グループでワイワイガヤガヤ相談しながら,それぞれの文字の変遷を考え,下のワークシートに書き込んでいきます。



アルファベットの歴史-正解

グループワークの後,「正解」を配り,自分たちの予想と比較させます。



自分たちの予想と「正解」を照らし合わせながら,
【 D 】や【 E 】,【 Q 】,【 R 】などの移り変わりに,
「予想通り!」「やったね」…「う~ん,なるほど」「こうきたか」…などの声があがれば大成功です。

薄い字の部分をなぞらせ,目と頭と手にしっかり染みこませて,学習を締めくくります。

機械的な暗記に比べ,定着の度合いがはるかに高くなります。
是非,チャレンジしてみてください。

ダウンロードはこちら!

アルファベットの歴史-ドリル(word,143Kb)
アルファベットの歴史-正解(word,417Kb)

参考文献

「英語教育の常識」 p.185-p.199 若林俊輔 (中教出版 1980年 「英語教育シリーズ 1」)