授業論
この10数年の間に,学校の果たす役割や学力の考え方が大きく変化し,戸惑いを覚えている先生方も多いと思います。そんな先生方の悩みや葛藤を解きほぐす糸口になるかどうか分かりませんが,中学の英語教師として日々の実践の中で,あるいは教育行政に携わりながら感じ,考えてきたことをかたちにしてみました。
【授業づくりで大切にしたいこと】【評価の在り方】【教師として大事にしたいこと】など,『不易と流行』の『不易』の部分にこだわりながら,まとめてきたものです。
教育の先達に学ぶ
授業論・学力論
評価の在り方を問う
総合的な学習の時間
算数・数学を楽しむ
私の専門は英語ですが,折に触れて,生徒とともに算数・数学の勉強も楽しんできました。
教諭時代は,空き時間に数学の自習があれば積極的に引き受け,管理職になってからは,夏休みや冬休みには英語と数学を1時間ずつセットにした計2時間メニューの「スペシャル講習会」も開いて,授業力のブラッシュアップにチャレンジしてきました。
また,仙台教育事務所にお世話になった平成13年度と平成14年度の2年間は,小学校の算数を担当することも多く,先生方のたくさんの創意工夫に触れ,分科会では先生方と膝を交えながら,たくさんの教えをいただきました。
幸運なことに,平成14年2月には「筑波大学附属小学校公開研究会」に参加させていただき,坪田耕三先生や細水保宏先生,田中博史先生の講話や授業を参観することができました。
「算数の授業はかくあるべし」という思いを新たする,私にとって非常に大きな経験となりました。
その中でも,私の授業力が最も鍛えられたのは,平成6年(1994年)頃から退職まで、約20年間続けた不登校の子どもたちとの「夜の勉強会」でした。
学年の違う子どもたち,得手不得手の違う子どもたちに「学ぶこと」の楽しさを味わわせるには,どうしたらいいのか,あれこれ楽しみながら試行錯誤を重ねました。
その結果到達したのが,生徒を惹きつけることができるのは、「本質」を追求する授業,「本物」と格闘する授業だけだ!という結論でした。
以下,算数・数学の指導について示唆をいただいた先生方の論文や著作からの抜粋,「スペシャル講習会」の中身(ほんの一部ですが)を紹介いたします。
算数・数学指導のプロに学ぶ
- 坪田耕三先生-豊かさを見直す
- 坪田耕三先生-一斉指導でこそねらえるもの
- 細水保宏先生-算数好きにする授業づくりのコツ
- 田中博史先生-算数授業を支える学級づくりのコツ
- 田中博史先生-今,算数が育てるべき読解力とは何か
- 小林 徹先生-生きて働く力を育てる算数の学習指導
数学スペシャル授業メニュー
授業をデザインする際に,念頭においたのは次のような点です。
- わかったときのうれしさや楽しさ,学ぶことの面白さを味わうことができる教材の工夫
- 子どもたちの生活体験や背景知識をフルに活性化させる,挑戦したくなる教材の工夫
- ハウツーを教えるのでなく,プロセスを大切にした授業デザイン
- 自分もやればできるんだ,と自信を持たせる授業の展開と評価の工夫