人称体操 with be動詞
皆さんは,坂本九さんが歌ってヒットした「ジェンカ」という曲を知っていますか。
【1番】
レッツキッス 頬寄せて
レッツキッス 目を閉じて
レッツキッス 小鳥のように
くちびるを 重ねよう
【2番】
レッツキッス 照れないで
レッツキッス つつましく
レッツキッス はじめてふれる
君の くちびる
【間奏】
ララララ ラララ はじめてキスをする
ララララ ラララ 踊ろよこれがジェンカ
【3番】
レッツキッス 若者よ
レッツキッス 恋人よ
レッツキッス 愛するしるしだ
くちづけに 乾杯
1960年代にヒットし,70年代には学生たちが前の人の肩に手を乗せて列を作りながら,歌い踊って楽しんだものです。中学校でも後夜祭の定番として,「オクラホマミキサー」や「マイムマイム」とともに,踊られていました。
その後,80年代に入り,後夜祭で踊られるフォークダンスは「マイムマイム」と「アップタウンガール」(ビリージョエル)の2曲が中心となり,いつの間にか「ジェンカ」は廃れていきました。
思い出話はこれくらいにして,本題に入りましょう。
人称代名詞とbe動詞の表を板書します
「中学校から高校,大学まで,英語はこれさえマスターすれば楽勝です!」一言,こう言いながら,黙って下の表を黒板に書きます。
生徒は,「アッ,あれだ」「見たことある」「知ってる」と言いながら,表を眺めています。
「ジェンカ」のリズムに乗って,「人称体操」の歌を歌おう
教室で生徒を前にして,ぶっつけ本番で「人称体操」の歌を歌うのは危険です。
まず,下の表を見て,イメージをつくりましょう。
「人称体操の歌」は,「ジェンカ」のリズムに合わせて一番左の列から下方向に,①から順番に④まで歌っていくものです。
動作をつけながら,笑顔で歌う!これが大切なポイントです。
それでは,「人称体操」の始まりです。
まずは,左手の人指し指から小指までの4本をくっつけて,ミトンの形をつくります。
【1番】
その手を自分の胸にあてて,「ワン」
真正面のあなたに向けて,「ツー」
左斜め前45度を指して,「スリー」
左真横を指して,「スリー」
左斜め後ろ45度を指して,「スリー」
と歌います。
次に,同じ動作をしながら順番に,「アイ」「ユー」「ヒー」「シー」「イット」
同じように,「アム」「アー」「イズ」「イズ」「イズ」
最後に,「ワン」「ツー」「スリー」「スリー」「スリー」
と歌い上げて,1番を終わります。
【2番】
左手に加え,右手もミトンの形にして
両手を自分の胸にあてて,「ワン」
両手を真正面のあなた方に向けて,「ツー」
両手を斜め前45度に差し出して,「スリー」
両手を真横に広げて,「スリー」
両手で斜め後ろ45度を指して,「スリー」
と歌います。
次に,同じ動作をしながら順番に,「ウイ」「ユー」「ゼイ」「ゼイ」「ゼイ」
同じように,「アー」「アー」「アー」「アー」「アー」と声を張っていき,
最後に,「ワン」「ツー」「スリー」「スリー」「スリー」
と歌い,2番もおしまいです。
2番のポイントは両手を使うことです。
【間奏】
少し照れながら,手拍子をつけて,間奏をつけると,生徒たちはニコニコ,ニヤニヤしながら聴いてくれます。
ララララ ラララ はじめてキスをする
ララララ ラララ 踊ろよこれがジェンカ
【3番】
そして最後に,1番を繰り返して,the endです。
歌詞の流れを表にすると下のようになります。
最初に「人称体操」の1番だけ,大げさにデモンストレーションします。
続いて,「さあ,左手を出して,みんなも一緒にやってみよう!」と呼びかけて,もう一度1番から歌います。
子どもたちは,始めのうちはちょっと「引いた」感じになりますが,そのうち手の動きも理解し,だんだん大きな声で唱和してくれます。
1年生でも,2・3年生でも,楽しそうに,照れくさそうに,一緒にやってくれます。
ここでのポイントは,深追いしないことです。
1回でやめておく程度が,ちょうどいいようです。
「人称体操」の歌さえマスターすれば,英語は楽勝だよ
みんなで「人称体操」を楽しんだ後,こう言います。
「入試のときも『人称体操』をしながら受験すると,完璧だよ!」と。「エーッ!?そんなことできないよー」と半ばあきれたような反応を見せますが,それでいいのです。
こう言って,励まします。実を言うと,英語では「現在」のことを表現するのが一番難しいんだ。
後で習う「三人称・単数・現在のs」も「 is 」の s が移ったものと考えれば,簡単だよ。
中3でも「現在完了」というのを習うけど,中1で習う英語が分かっていれば難しいことなんてないんだ。
だから,この「人称体操」さえマスターすれば,高校に行っても,大学に行っても,英語は楽勝なんだよ。
英語の基本はam,are,isです
英語の文法の基本は,なんといっても 【 am,are,is 】 です。
加えて,【 三人称・単数・現在 】 と 【 was,were 】 さえ,しっかりマスターすれば,楽勝です。
「助動詞の入った文」も「過去の文」も,主語に関係なく動詞の形は一定なのですから。
だから,1年生の前半で習う学習事項をしっかり理解すれば,その貯金で英語の力をどんどん伸ばしていくことができます。
そんな気持ちを持たせて,入門期の学習に入っていくと,子どもたちも楽しく授業に取り組んでくれるものです。「英語って,簡単だね」
「難しいと思っていたけど,自分にもできそうだ」
「人称体操」,是非チャレンジしてみてください。
1年生でも,2年生でも,そして,3年生でさえも,楽しくほっこりした授業になるはずです。