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ネットニュースを30分で読み物教材に加工する方法

生徒の学習意欲を喚起し読解力を高めるために,「 英語ニュースの読解 」 に折に触れて挑戦させています。
テレビや新聞で報道され,ほとんどの生徒が見聞きしよく知っていると思われるトピックをタイムリーに教材化し,英文読解に取り組ませます。
英文自体は生で少々難しいのですが,生徒の興味関心や背景知識,そして既視感が,英文の難易度を大きく下げてくれるからです。
「英語ニュースが読めた」という感動や「なるほど,英語ではこんな風に表現するんだ」という学びや気づきが,次の学習への意欲を高めてくれます。

たとえば,イチロー引退というタイムリーな話題(2019年3月末時点)をとりあげ,読み物教材に仕立ててみます。
以下に,その手順を紹介しますので,参考にしてください。

省力化の一番のポイントは,なんといっても「メモ帳」の活用です。
このことは,教材作成だけでなく,さまざまな教育情報のストックや活用,整理に大いに威力を発揮しますので,銘記してください。

1 とりあげたいトピックの記事を探す

まず,「イチロー引退」をとりあげたネットニュースの記事をリサーチします。
とりあげたいトピックがあった当日にリサーチするわけですから,グーグルやヤフーなどの「検索エンジン」はあまり役に立ちません。
比較的分かりやすい英語が使われているニュースサイト ( 下記参照 ) をメインに,記事を探します。

○ The Japan News by the Yomiuri Shimbun
○ The Japan Times
○ BBC NEWS
○ CNN International Edition
○ とりあげたいトピックが起こった都市や国の新聞社のニュースサイト

いくつかの記事の中から,生徒たちにとって読みやすく,今ある英語力をフルに活用して読解できるレベル ( 「 interlanguage + 1 」 ) であることを条件に,記事を絞り込みます。
ここでは, 「 The Japan News by the Yomiuri Shimbun 」 の 『 Ichiro walks off into history before packed Tokyo Dome crowd 』 ( 下図参照 )をとりあげて,読解教材を作成します。





2 文字情報をメモ帳に貼り付ける

まず,教材化したい記事の文字情報をドラッグして選択します。



次に,選択した文字情報を 「 メモ帳 」 または普段使っているテキスト・エディターに貼り付けます( 下図参照 )。
「メモ帳」へ貼り付けることよって,大きさや色などの余計なフォント情報を一瞬でそぎ落とし,テキスト情報のみを抽出します。



「 メモ帳 」 を使わず,文字情報を直接ワードなどに貼り付けると,フォントの種類や大きさ,色などの余計な情報も付随して貼り付けられてしまいます。
これでは,その後の加工がたいへんで,無駄に時間もかかります。

3 写真を加工する

ワークシートには,トピックの内容が一瞬で伝わるように,当該記事の写真も一緒に掲載します。
読み物教材はA4判1ページが基本です。
生徒が挑戦してみたいと思えるような分量にまとめることも,教材づくりの大切なポイントです。
1ページに収まるように写真をトリミングしたり縮小したりして,うまくレイアウトします。



ここでは,イチローの姿が中心にくるようにトリミングします。


4 テキストと写真を貼り付ける

最後に,メモ帳から 「 テキスト情報 」 を,画像ソフトから 「 写真 」 をワードなどのワープロソフトに貼り付け,レイアウトします。
記事のリサーチから始めて10分から15分くらいの時間で,ここまでの作業を終えることができるはずです。

あとは,それぞれの段落ごとに日本語訳を入れ込み,要所を空欄にして,完成です。

その際,出典を示すニュースサイト名や写真のキャプションを,必ず明記しましょう。

5 完成したワークシート



6 「 英語ニュースの読解 」 に挑戦

さあ,いよいよ授業が始まりました。
Greeting もそこそこに,ワークシートを配布します。

「あっ,テレビで見た見た。凄かったねー」
「お父さんが感動してたよ」

など,生徒は昨日のできごとを互いに共有しながら,できたてホヤホヤのワークシートに挑戦します。

7 Practice makes perfect.

はじめのうちは教材化に1時間程度かかるかも知れません。
習うより,慣れよ! -- Practice makes perfect.
翌日の授業への期待をふくらませながら,教材づくりを楽しみましょう。
健闘を期待しています。

この教材づくりの一番のポイントは,やっぱり 「 メモ帳 」 の活用です。